
抜毛症(トリコチロマニア)とは AGAとの違いや治療法について
目次
脱毛症の世界:AGAから抜毛症まで
脱毛症と聞くと、パッと思い浮かぶのは年齢を重ねるに連れて自然と髪の量が減っていく「AGA(男性型脱毛症)」かもしれませんね。でも実は、脱毛の原因はこれだけにとどまりません。自分自身で髪を抜いてしまう「抜毛症」のような、もっと深い背景を持った症状も存在します。
AGAとは何か?
- AGAは、男性ホルモンが変化することで発生。
- 頭髪が薄くなる主な原因の一つ。
抜毛症(トリコチロマニア)って何?
抜毛症、またはトリコチロマニアは強迫性障害の一種で、患者さんは無意識に自分の髪を引き抜いてしまいます。この行為は一時的なストレス解消や快感に繋がることがあり、子どもから大人まで幅広い年齢の人に見られる現象です。
原因は心の奥底に
多くのケースで、精神的なストレスが抜毛行為のトリガーになっていると考えられています。
発症しやすい人
発症は個人差がありますが、思春期を迎える少し前後から見られることが多く、特に女性に多いとされています。進学や人間関係の変化など、環境の変化によるストレスがきっかけになるケースも報告されています。本人が抜毛を隠そうとして帽子やウィッグでカバーしていることもあり、周囲が気づきにくいのも特徴です。
抜毛症のリスク
ただ単に毛髪を失うだけでなく、抜毛した毛を飲み込むことで生じる「食毛症」やこれが原因で形成される「毛髪胃石」など、消化器系にも悪影響を及ぼします。
治療への道
自力での改善は難しいため、医師による治療が推奨されます。治療方法は、認知行動療法の一種である習慣逆転法や、抗うつ薬の処方などがあります。
習慣逆転法とは、髪を抜きたくなる場面や状況を記録して自覚を促し、抜毛の代わりになる行動(手を握る、ハンドグリップを使うなど)に置き換えていく訓練法です。時間はかかりますが、繰り返し練習することで抜毛の衝動と上手に付き合えるようになることを目指します。薬による治療は、背景にある不安や抑うつなどの症状に応じて医師が検討します。
AGAとの違い
- AGAは主に男性ホルモンの影響による自然な脱毛。
- 抜毛症は精神的なストレスが原因で、自分で髪を引き抜く行動により発生。
どこに相談すればいい?
抜毛症は、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)で強迫症および関連症群に分類されている、れっきとした治療対象の症状です。「意志が弱いから」「ただの癖」と片付けず、専門の医療機関に相談することが回復への近道です。
- 大人の場合:精神科・心療内科が相談先になります。
- 子どもの場合:小児科や児童精神科のほか、スクールカウンセラーへの相談も窓口になります。
周囲ができるサポート
抜毛症は、本人も「やめたいのにやめられない」と苦しんでいることが多い症状です。家族や周囲の人が気づいた場合は、次の点を意識しましょう。
- 叱ったり無理にやめさせようとしたりしない(ストレスが増えて逆効果になることがあります)
- 髪や見た目のことを必要以上に指摘しない
- 本人の話に耳を傾け、医療機関への相談を一緒に検討する
まとめ
抜毛症(トリコチロマニア)は、精神的なストレスなどを背景に自分で髪を抜いてしまう症状で、ホルモンの影響で髪が抜けていくAGAとは原因も対処法も大きく異なります。AGAには治療薬がありますが、抜毛症に薄毛治療薬は効果がなく、心のケアと行動へのアプローチが治療の中心になります。薄毛の原因がAGAなのかそれ以外なのか気になる方は、自宅で簡単にできるAGAのセルフチェック方法も参考にしてください。
もし髪に関する悩みがあれば、適切な専門医に相談することが重要です。特に抜毛症は精神的なサポートが必要な症状であり、一人で悩まずに医療機関の門を叩きましょう。







